会社概要

住所: 茨城県土浦市下高津2-14-3
設立: 平成20年7月28日
資本金: 500万円

沿革: 当社は、これまで工業技術院及び産業技術総合研究所において行われた低温型燃料電池研究開発事業により培われたポテンシャルを引き継ぎ、産業技術総合研究所ベンチャー制度により、平成20年秋に設立されました。
 過去10年以上にわたる研究開発期間において蓄積されたポテンシャルは、(1)燃料電池材料評価技術、(2)新規電極触媒及びポリマー電解質材料開発技術、(3)システム開発技術におよび、その成果は論文、著書、特許などとして積極的に発信するとともに、大学、企業などとの共同研究に発展し社会に貢献してきました。
 そのような経験を生かし、現在の燃料電池産業の発展及び地域の発展に貢献するため、産業技術総合研究所の技術をベースとして発展させながら研究開発活動を進めてまいります。

TFCL building

事務所の移転: 平成25年2月の臨時株主総会において事務所移転の議決がなされ、同年4月1日よりそれまで産業技術総合研究所内に置かれていた事務所を現在の土浦市に移転いたしました。伝統のある土浦市の旧商店街の一角に事務所を設置し、新住民として土浦市の発展に寄与したいと考えておりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

事業内容: 当社は以下の事業を通して、燃料電池産業の発展・関連技術の向上に寄与し、地球温暖化対策への貢献を目指します。
1.燃料電池に関連した、新規材料開発(電極触媒、高分子電解質膜、その他)及び販売
2.燃料電池に関連した、計測・評価技術の開発及び販売
3.周辺計測技術(センサーなど)の開発及び販売
4.携帯機器用など小型ダイレクト燃料電池の開発及び販売
5.その他、関連業務

企業ビジョン:  燃料電池産業とともに歩む、新興中軸会社を目指します。

研究開発ポテンシャル
 技術: 「電気化学計測」を大幅に活用した、廉価で正確な評価機器
 目標: 燃料電池に対応した、汎用評価機器
 特徴: ガス反応系モデルを取り入れた試験装置
 製品: 生産ライン用検査機器、研究開発用測定機器、モデル試験用機器

主な取扱製品
 膜・電極接合体(MEA)試験用機器−燃料電池重要部品の検査機器
 材料開発用測定法・機器
 特に研究開発に役立つ、標準的な試験装置

燃料電池開発の意義
 人類が利用できるエネルギーは、現在のところ専ら化石燃料が主(約70%)となっています。そして今日まで、炭素を燃やしてエネルギーを得てきた結果、地球環境問題(温暖化)という大きな負の遺産を背負っているということができます。今後はエネルギーに占める炭素の割合を減らし、自然エネルギーの有効利用(変換・濃縮・蓄積及び輸送)を図る必要があります。水素エネルギーはその有力な選択肢の一つであり、また、大規模集中型から分散型エネルギーへの転換が望まれます。

 そのようなとき、燃料電池は「エネルギー有効利用社会のエース」として位置づけられようとしています。燃料電池は燃料の持つ化学エネルギーを燃焼させることなく直接電気エネルギーに変換できる装置であり、理論的にはその変換効率は80%以上となります。ガソリンエンジン、タービンのような内燃機関では効率35%くらいですから、まさに高効率エネルギー変換装置であり、また排気ガス、粉塵、騒音などを出さない、クリーンな発電装置ともいえます。

 1992年の通商産業省工業技術院ニューサンシャイン計画(当時)においてスタートした「固体高分子型燃料電池開発計画」は、10年以上の開発期間中多くの周辺産業、材料開発技術を生み出しました。日本の高い技術開発力は今後も世界をリードできる立場にあり、一層の発展が見込まれます。

 このような時代の中で、さらに多くの日本発技術を確立することを当社の使命と位置づけていますので、今後とも多くの方々のご指導、ご鞭撻を賜ることをお願いいたします。

代表からのご挨拶
 弊社は燃料電池に関する新規の材料開発、及び関連する評価技術の向上を目指して、2008年に産総研ベンチャーとして設立されました。燃料電池は環境に優しいエネルギー源として、近年注目され相次いで市場化が進んでおり、次世代技術として今後発展が見込まれる産業分野となることが期待されています。

 燃料電池の原理が見いだされたのは19世紀前半ですが、技術的な課題が多くあり、実際に実用化に向けた取り組みが行われたのはアメリカの宇宙開発以降のことになります。1990年ころから民生用の燃料電池開発が本格化し、先人たちによる20年以上の研究開発の努力が今日実を結ぼうとしています。

 エネファーム(家庭用燃料電池)や燃料電池自動車が本格化しようとする現在、これ以上研究することがあるのかと思われる方もいるかも知れません。しかし、燃料電池技術の課題はまだ根本的には解決されていないのが現状です。その1つが高価な材料を代替し、一般消費者が魅力を感じるコストを実現する課題であります。その努力は1960年代から始まり、50年以上の時を経過し今日に続いています。

 燃料電池は規模の大きさに依らず高い発電効率が見込まれるため、自動車などの100kW級から携帯機器用の10W級まで、幅広い分野で今後使用される可能性を秘めています。新しい応用分野開拓も魅力的な課題です。

 いずれも難しい課題であるからこそ、弊社はこれら課題の解決に取り組み、産業の発展に寄与できることを使命と考えます。燃料電池に関する基礎、応用、開発研究のお手伝いができるような新規材料開発、及び材料評価技術の提案を目指し、歩み続けます。

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