1. 燃料電池材料計測技術

 低温型燃料電池では、高出力を実現するために燃料極、空気極とも性能の高い触媒が欠かせません。現在の燃料電池においては、白金系触媒が専ら用いられていますが、コスト、資源量の観点から白金代替材料の開発が急務となっています。その様なとき、触媒探索にかかる開発費用と時間を抑えるためには、正確で効率の高い触媒試験法が必要です。また、膜・電極接合体(MEA)についても同様で、簡単な測定で燃料電池実セルと同じ条件を実現できることが求められています。さらに進んで、「危険な引火性ガス、助燃性ガス」の使用を極力制限することも安全管理の観点から重要となっています。

 つくば燃料電池研究所では、このような要求を満たすための装置及び技術の開発を行っています。例えば、「半セル試験装置」は、ガス拡散電極の条件を通常の電気化学測定と同じ手軽さで実現し、触媒をMEAレベルで試験できるものです。特に、空気極触媒の試験では、燃料電池単セルの場合水素ガスを相手極に導入する必要があるのに対し、それが不要となるため作業上安全な手法であるといえます。

 その他にも、燃料電池内での反応をモデル化し、最少量のサンプルを最小時間で評価できる装置や、MEA生産ライン上で製品検査のできる「燃料電池MEAテスター」の開発を行っています。

 つくば燃料電池研究所は、燃料電池内で起きる現象のメカニズムを解明し、その結果として有用な評価装置の開発・販売を行いながら燃料電池産業のお役にたてることを重要な使命としています。

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